熊本地震をめぐるヤフーの検索ワード分析。「熊本地震」と入力して検索した傾向は、地震発生から1カ月ほど経つと、被災地でもおおむねピーク時の半分以下に落ち着いたが、何度か瞬間的に検索数が伸びた日があった。

関心は「パルスの影響を受ける」

「熊本地震」の検索数の推移(朝日新聞)

 6月中旬。検索数はピーク時の2割程度まで落ち込む日も出始めた。一方で、6月13日はふたたび5割を超え、その後は、18日、29日、7月9日に、前後と比べて検索数が伸びていた。これらを調べると、いずれも熊本県内で震度4の余震が発生した日だった。

 京都大学防災研究所の矢守克也教授は「災害への関心は、後続の出来事が発したパルス(信号)の影響を受ける。余震の不安の中で過ごしている被災者が、余震の中で情報収集しようとしたのだろう」と分析する。

 矢守教授によると、こうしたパルスには定期的なものと不定期的なものがあるという。定期的とは、災害から1カ月や1年といった節目ごとに報道量などが増えることを指す。一方、不定期的なパルスとは余震や他の大事件などだ。

 1995年の阪神大震災の際は、2カ月後に地下鉄サリン事件が起きた。「在京メディアはサリン事件の報道一色になり、震災の報道が上塗りされて震災そのものへの関心を押し下げてしまった」。余震などは関心を押し上げるパルスになりうるが、他の大事件は関心を押し下げるパルスになるという。

「防災の日」に関心高まる

京大防災研究所の矢守克也教授(朝日新聞)

 7~8月にかけて、検索数は熊本県でもおおむねピーク時の1割前後、全国ではほとんど検索されなくなっていた。だが、7月25日、8月10日に検索数が一時的に伸びた。

 7月25日は唯一行方不明となっていた大学生(当時22)の車の一部が見つかったと報道された日で、8月10日は大学生の遺体発見が報じられた日だった。熊本地震への関心が、報道に大きく影響を受けたと見られる。

 6月以降で最も検索数が跳ね上がったのが9月1日だった。前日夜に熊本で震度5弱、当日も震度4の余震が発生した日だ。ただ、同規模の余震が発生した日よりも検索数の上昇幅が大きい。

 矢守教授は「9月1日が防災の日で、各メディアが熊本地震に絡めて報道をしたことが影響している」と指摘する。

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